こんにちは、中馬です。
稽古日誌の三回目ですが、早速書くことがありません。ここ数回というもの、稽古に動きがないからです。座学ばっかりしてるので、文字通りの意味で。
ネタがないので、数少ない動きのあるシーンとともに、俳優の紹介をします。
まつもとななこさん。チーム・チープロ所属。
バレエやモダンダンスが出自で、力みのない身体とポニーテールから繰り出す流麗な動きが持ち味です。キレキレで派手なダンスよりも、独特の発想で繰り出すなんか変な振り付けが、よく見るとすごい。真似しようとすると、なぜかできない。
だからお客さんはじっくり見て、ちょっと真似してみてほしいですね。ダンスパフォーマンス的な側面も強いチープロでは、視覚的な面白さの中心です。普段はゆるい雰囲気で場を和ませていますが、一番冷静で敵にまわすと恐ろしいのは、おそらくこの人です。彼女がダメを出した演出は、まず却下されます。このブログもふざけすぎて一本没になりました。
無表情と笑顔の落差が大変怖いので、そちらもお楽しみに。
みやたれみさん。チーム・チープロ所属。僕の大学時代のサークルの先輩。
チープロで唯一、スタンダードな演劇でも俳優をしてきた人です。精密な演技やクリアな台詞回し、観客との間合い感覚に優れ、お笑いサークルではコントに引っ張りだこでした。
(ブルゾンちえみに通じるイイ女キャラをよく演じていました……)
チープロがどんなに変な喋り方で不思議なパフォーマンスをしても、辛うじて「演劇」だと言えるのは、みやたさんのサービス精神と発語センスに依るものだと思いますね。ななこさんが看板女優なら、みやたさんは主演俳優、そんな感じに見えます。クールなイメージが強かったのですが、案外運動音痴。強い親しみを感じる。
あべだいちさん。新中野製作所所属。
普段はデザイナー兼家具屋さんをしている、お洒落な髭のお兄さんです。手足が異様に長いですが、優しい人です。父性のある声をしています。この動きも、何かスターの動きの面白さをデザイン的な目線で分析しているのです。体形と眼鏡が似ているからではないのです。チープロの中でも演出家に近い目線で、舞台全体を見ている影のプロデューサー。今回は特に、映像作家さんや彫刻家さんといったアーティストが参加しているので、演出家と彼女たちの間で翻訳をする役割も担っています。
……私見ですが、チーム・チープロが目指している演劇は「観客の感情を動かす自己表現」ではなく「想像力を飛躍させるためのデザイン」です。だからデザイン的な思考ができるあべさん(及び新中野製作所)の存在は重要なんだと思います。……
ダンスと振る舞いのななこ、笑いと台詞回しのみやた、デザインとアートのあべ
こんな3人と一緒にやってます。変な人ばっかりで楽しいです。
じゃあ中馬は……隙間の需要ですかね。
そもそもバランスのいいレギュラー俳優陣に、最近は追加で僕が客演してるわけなんですが、そこにチープロの変化が現れているような気もします。自意識過剰かなぁ。
自分で言うのもなんですが僕はかなり不器用で、一生懸命さが一見して伝わっちゃう役者です。ラジオ体操をさせただけで「あいつ何か変だな」ってヤツいるじゃないですか、それをチープロでは「中馬は親しみやすい身体をしている」と評されます。(弱そうでなめられやすいという意味だと思います)
まあ、こんなブログも書いてることだし、「親しみやすさ」を大事にして取り組みます。フレンドリーのちゅーまん、ということで。さて、今回は稽古に動きがないので、俳優の紹介をしました。では最近の稽古ではいったい何をやっているのかというと、俳優みずからマヤコフスキーの本を読んで、台詞選びをしています。台本はDIYするもの。
これ大変なんですよ……マヤコの詩は抽象的だし長いし……。
しばらくこのフェーズが続くので、次回はこの本。
「ズボンをはいた雲」について書こうかなー(予定)。
中馬でした!
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「20世紀プロジェクトvol.3: カクメ・イカ・クメイ展」
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